測定対象物と測定方法

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測定条件

ガラス窓越し

使用する温度計の測定波長により、使用できるガラス窓材質の制限はありますが、多くの高温測定では石英ガラスなどを窓材質として温度測定が可能となります。中低温測定用放射温度計では、サファイアガラスなどを窓材質として温度測定が可能となる場合があります。窓ガラスの選択にあたっては、放射温度計の測定波長と窓材質の透過特性を確認してください。ガラス表面での反射率が数パーセントあるため、ガラス窓越し測定では透過率、反射率補正が必要です。

加熱炉内

一般的加熱炉は予熱ゾーン、加熱ゾーン、均熱ゾーンで構成され、ワーク温度と炉内壁温度の関係が異なります。一般加熱炉では、化石燃料(ガス、石油、石炭など)が使用され(電気加熱は除く)、その燃焼生成物にはCO2,H2Oが含まれ、これら燃焼ガスからの放射エネルギーがワーク温度測定に影響し、正しい温度測定ができません。また、特に予熱ゾーンと加熱ゾーンでは、ワーク温度よりも炉壁(天井)温度が十分高く、炉外に設置した放射温度計は、ワークからの放射エネルギーと高温となった炉壁からのワーク表面で反射し温度計に入射するエネルギーが大きく、放射温度計はこれらの合算した放射エネルギーを測定することとなり、実際のワークより見かけ上高い温度指示となります。 当社では、このアプリケーション専用に放射温度計(FTS)を用意しています。このシステムでは、燃焼ガスに依る影響や高温となった炉壁からの背光(別温度センサ(放射温度計または熱電対)で高温壁を測定)を自動補正し、正確なワーク温度を演算測定します。

真空/加圧炉内

一般的温度計を炉内に挿入しての温度測定は、温度計の構造(耐熱やシール)上使用できません。 加圧および真空の程度にも依りますが、通常温度計を炉外に設置し、ガラス窓越しにワーク温度を測定します。この際、使用する温度計によっては、使用できるガラス窓材質が制限され注意を要します。

温度計視路内に、水蒸気、煙や粉塵がある場合

正しい温度測定はできません。勿論、水蒸気や煙などの密度に依ってその影響度合いは異なります。もし、水蒸気などが間欠的に発生する場合は、シグナルプロセッサでピーク処理することでこれらの影響を低減することができます。 また、温度計アクセサリにサイティングチユーブ(チューブ内をエアパージし、温度計視野をクリーンに維持)を使用することで、温度計視野から物理的に水蒸気などが除去でき、より真値に近い温度測定がおこなえます。

測定対象物上に水が乗っている場合

基本的には正しい温度測定はできません。使用する温度計の測定波長が短く(1μm)しかも水膜が薄い場合は、某か低めの温度指示となり、使用に耐えうるかも知れません。水/水膜が間欠的に発生する場合、シグナルプロセッサでピーク処理することで、水の影響を某か低減できるかも知れません。

測定対象物が高速移動(回転)している場合

応答速度は温度計のモデル(ディテクタ)および組合せ使用するシグナルプロセッサのモデルに依ります。一般的に高温測定用放射温度計(ディテクタにSiやGeを使用)では、5-10ms、またその他中低温域測定用放射温度計(ディテクタにPbs,PbSe,サーモパイルを使用)では、100ms程度の応答速度が得られます。詳しくは、各メーカーの仕様を確認してください。

測定距離

理論上は測定距離の制限はありません。一般的に測定距離が遠くなればなるだけ温度測定エリアが大きくなります。測定エリアが大きくなると、より平均的温度が得られますが、その表面状態(スケールがあるとか水が乗っているとか)や温度視路中に存在する水蒸気,ダスト、煙などの影響も受けやすくなり、正しい温度測定が困難となります。

測定角度は

測定対象物の物性や表面状態に依りますが、通常測定対象物表面の法線から45゜以内であれば正しい温度が測定できます。ただし、測定角度が垂直でない場合、放射温度計は測定対象物からの放射エネルギーと背光エネルギー(存在すれば)も合わせて測定してしまい、大きな測定誤差を生じる場合があります。

その他測定に影響を及ぼすもの

高温測定(短波長)放射温度計の場合、工場内の照明灯や天井窓からの太陽光が測定対象物で反射し、測定している温度計に入射し見かけ上の測定誤差(実際より高めや不安定)が生じます。 中低温測定では、特に低放射率の測定対象物を測定する場合、設置した放射温度計の周囲熱源からの背光放射エネルギーが大きな測定誤差を生じさせる場合があります。

放射率

放射温度計では測定対象物の表面放射率に合わせて、温度計システムの放射率を設定する必要があります。放射率は、その物性および表面状態および温度計の測定波長などにより大きく異なります。一般的に、測定波長が短い方ほど放射率が高くなる傾向にあります。放射温度計で正確な温度測定をするためには、可能な限り測定対象物の放射率値(未知)に、温度計システムの放射率値を設定する必要があります。 一般的物質の放射率表をⅥ項に示します。

測定精度

放射温度計の測定精度は、あくまで黒体炉(放射率≒1.0)を対象としたものです。したがって、各測定現場で得られる測定精度でない点注意が必要です。 一般的に、放射率が高い(カーボン、黒ゴムなど1.0に近い)測定対象物を測定する場合、高い測定精度が期待できます。また、同じ測定温度でも使用する放射温度計の測定波長が短いほど温度計としての感度特性が良好なため、現場の温度測定に伴う外乱要因(設定放射率と実際の放射率の違いや放射率の変化、温度計視路内の水蒸気、ダストなどによる見かけ誤差が小さくなり、温度測定にあたって優位性があります。

温度計の校正

放射温度計の校正は、黒体炉(基準熱源)を使って、標準温度計(国家標準に校正された)との比較試験により実施します。当社では、黒体炉も販売しております。国家標準にトレーサブルな校正が必要な場合、また校正方法につきまして、当社までお問い合わせください。
校正頻度につきましては、使用される温度計の使用目的(制御、品質保証、モニタなど)や設置環境やお客様の管理基準にしたがって設定してください。 校正値に対する有効期限や必要校正周期は、特に規定がありません。

一般仕様

温度計の光学系による分類

レンズ方式 ファイバ方式
長い測定(焦点)距離がとれ、小さな標的径が得られます。 アクセスが困難な測定対象物の測定や冷却水が使用できない場合に最適です。

温度計の測定方式による分類

単波長放射温度計 ファイバ方式
多くはこの方式で、アプリケーションに応じて測定波長が選択できる点が有利。 2つの測定波長を使用することで、温度計視野が欠けるような場合のアプリケーションに最適です。

温度計タイプによる分類

固定式放射温度計 ポータブル放射温度計
一点測定タイプで、測定現場に温度計を固定して使用します。 固定式同様一点測定タイプで、必要に応じて温度計を自由に測定場所に持って行くことができます。
走査型放射温度計  
一軸方向の温度プロフィールを測定する固定タイプで、測定対象物が移動している場合は、2次元の温度プロフィールが測定できます。  

測定温度範囲

当社放射温度計では0℃から2600℃の測定温度範囲をカバー(種々モデル)しています。

焦点方式

固定焦点方式
温度計の焦点距離が温度計モデルで定義されており、測定距離、測定対象物の大きさ、必要標的径などから事前に温度計モデルを選定する必要があります。
可動焦点方式
温度計の焦点距離が測定条件に合わせて自由に変更(350~1000mm,500mm~無限大など)できるので、現場での測定ニーズにフレキシブルに対応できます。温度計は必ず焦点距離で使用する必要はなく、標的径に問題なければ焦点合わせにこだわる必要もありませんが、多くのアプリケーションでは焦点合わせする(より小さな標的径が得られるので)ことを勧めます。

標的径

固定焦点方式
温度計の焦点距離が温度計モデルで定義されており、その標的径は測定距離に応じて決まっています。詳しくはメーカカタログをご覧ください。
可動焦点方式
温度計モデルによりFOV(距離係数)が決まっており、求める標的径は測定距離をFOVで割り算することで、焦点距離における標的径が求められます。仮にFOVが100で測定距離が1000mmの場合、標的径は10mmとなります。
製品一覧
産業別用途例

UKAS